Column

08/02/20

電車の吊り広告を見ていて?なことは多い。以前数回そんなことを書いた様な気がするが、でもうっかりするとそんなことすら日常の中に埋没してしまって、気が付かなくなるから怖い。広告のコピーについて、ぼーっと周囲を見渡しているだけでその側面が端的に表れていることが多いから割と見ていて飽きない。ほんの一例を挙げると、「フルハイビジョン上映がすぐに楽しめます」「安心を守るのも私たちのしごと」「新しい情報がいつも何かある」等々。僕が思うに、どうやら変だ。どうですか?フルハイビジョンは特定の「物」を指し示す名詞なのに、その後に上映という「何々すること」という「こと」をくっつけてしかも「が」で繋ぐから、まるで意味不明な物事が一体何を楽しむのだ?といった事態に陥る(笑)。「フルハイビジョン映像をすぐに楽しめます」が正解でしょうね。たぶん。安心を守る?安心も「何々なこと」という意味だから直接的には守りたくても守りようがないでしょう。例えば「安心出来る環境を守る」とかいっそのこと守るを止めて、「安心感を継続させる」となれば意味が分かる気がする。また、新しい情報がいつもある、でいいのに、どうして「何か」が入り込んでしまうのか、これもかなり怪しい文章だ。読めば読むほどに頭がぐるぐる回り始めて気持ち悪くなる(笑)。公衆に曝される文章がこんな状況ってことは、プライベートで交わされている言葉はどうなっているのか不安です。最近読んだ本で書いてあったが、「目があるから見えなくなった」という文章が脳裏に焼き付いて離れない。つまりこの事態に添う様に、私なりに言い換えれば「言葉があるから言葉を失った」となるだろう。この意味、皆が深く深く考えてみる価値はあるとは思いませんか?

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