Column

2006 . 8 . 24

 お盆休みに出雲に行ってきました。主な目的は菊竹清訓氏の代表作である出雲大社の境内にある「庁の舎」。学生時代から写真だけをみていましたので、そのダイナミックさと繊細さの融合したコンクリートの造形が本物である事が最初信じられませんでした。学生時代にヨーロッパを貧乏旅行した時も同じでしたが、憧れがある意味で頂点に達している建物というのは、自身の想像の中でその造形だけが勝手にどんどんと巨大化し、その実物を見た時に「以外と小さいな・・・」という感想をもったりするものですが、この庁の舎も参道の先にシワという時間を深く刻み込んだ紳士な老人を思わせる風貌が立ち現れた時、なるほど、やはり小さいな、と思いました。出雲に向かう山陰本線の汽車の中で、菊竹氏の古い本「建築のこころ」を読みなおし、規模に対する要望が無く、大きくも小さくも設計する事が出来た事が非常に難しく、竣工までに6年もかかった理由の一つとして上げられていましたが、このスケール感というのは、機能という建築の持つ宿命を棚上げした先に見える、境内のプロポーションだな、と思いました。庁の舎の向こうには巨大な本殿がそびえ立っています。そのパースペクティブの一部にさらに横長で低く抑えられたダイナミックなコンクリートの造形が、さらにパースペクティブを効かせて鎮座しているのです。かっこよすぎます。境内に立ち、庁の舎と本殿とのパースペクティブを暫し楽しんだ後、スケッチブックにその勇姿を撮して帰りました。

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