Column

2006 . 12 . 12

 東京からの帰り道、電車の車窓から見上げた空がとても綺麗でした。午後4時半前だったか、西に夕日、東にだんだんと灰色と水色の入り乱れた雲のちらばった空が流れて行った。空の照度もかなり落ちていて、周辺にふわふわと漂う空気は既に闇へと吸い込まれつつあるから、樹木のシルエットは、葉を落として痛々しいくらいに黒く細くしなやかにその姿で空を切り裂いていた。私は西に広がる赤い空よりも、東側の闇へと移りゆく黒と青とグレーの空が好きだ。どういう訳だかしらないが、やはり夕日は哀愁に満ち、そこに色々な思い出やら感動やらが入り乱れる事になるが、東の空はそんな感情の入り込む余地もなく、ただ精神が解き放たれそして、空の彼方へ飛んで行ってしまう。疲れた時などは特にそれを強く感じる。奥行きのある色はどんな色か。透けた空間というのは、いずれにしても主体、つまりその感覚を論じようとしている人間の主観に委ねる事を覚悟しなくてはいけない。そんな空間の計画こそ、アクティビティーに満ちあふれたものとなるはずだ。そんな事をぶつぶつ考えていたら、すぐに外界は闇に支配され茅ヶ崎に着いた。

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