Column

18/06/06

相変わらず通勤電車に乗っていると吊り広告が賑やかで、世相がそのまま露呈しているから見ていて飽きません。最近目立つのは相変わらずの転職。

「人生を賭けた転職が、ギャンブルではいけない」

はい、これを読んでどう思われましたか?賭けるとは辞書を引くまでもなく賭け事です。(同語反復(笑))賭け事とは、負けたら全てを失う覚悟で起こす行動です。つまり、人生は博打だ!と宣言した後に、ギャンブルであってはならない、とは!?要は転職なんて全て博打なんです。皆さんお分かりでしょうけど。でもそう言ったらだれも転職しませんから(笑)、広告主としては困ります。しかし僅かなキャッチコピー内にこれほど矛盾する言葉を織り交ぜて、それを読む方は訝しく思わないものでしょうか。広告意図が透けて見えるというか、広告としてはむしろ逆効果ではないかと私は心配してしまいます。転職流行の世の中ですが(実体は知りません)、絵に描いたように待遇アップ、将来安泰、という方、どれほどいらっしゃるのでしょう。私は懲りもせず自分の人生を地味に歩んでいますので、よく皆さんに言うのですが、「継続が唯一力」ということかもしれません。転職によって救われる方が居るのも事実ですから、一概に言えませんね。そして二つ目の文章。

「転職かフリーランスか、この決断で人生がどう変わるのか」

疑問混じりの呟きで終わっており、読者に何かを問いかけています。広告の主旨を鑑みながら読めば、「難しいので一人で悩むのはおやめなさい。」です。一方で私はちょっと違って読めます。「どちらにしても、あなたの人生、そう大きくは変わりませんよ、さっさと諦めて自分の人生を継続して歩み続けなさい」です。もちろん広告ですから、読み方は自由。私の解釈はひねくれているかもしれません。

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