24/12/26
随分長きにわたり更新をサボりました。相変わらず、長きにわたってテレビの無い生活を送っていると、毎日の通勤電車で見る動画や広告が新鮮に見えることが多く、気がつくこともあるのですが、書籍に関しては結局のところ困った大人を救済するためのお節介、老婆心なノウハウ本が沢山売れているのでしょうか?今朝の車内広告で大きく見出しを飾っている文言の一部を列挙すると、「頭のいい人が話す前に考えていること」「パーフェクトな意思決定」「今すぐ読んだほうがいい」「今を生きろ」「君はもう読んだか?」「日本で一番売れているビジネス書」などなど。。やれやれ困ったな、という感じでしょうか。これ本当に読みますか?要するにこの本読めば知的に不調な自分がもっとましになる、的なことが書いてあるのでしょうが、それを大量のひとが読んだら何も良くはならないはずで、つまりあたなが求めているものは、周囲から抜き出るために必要な「答え」なので、本読んだ大量のひとがその「答え」に従って皆同じ行動をとったら本末転倒、故に「日本で一番売れている」などと宣伝してしまったからには本来「これは読んではいけない本」ということになるのはずですが、でも実際は売れているのですかね??しかも知的な不調を何とかするためには、ひとの「答え」を求めている限りは永遠に改善しないことは、少し考えれば分かることなのでしょうが、その事に多くのひとが気づいてしまえば本は売れないのでそれは困りますね。私は困りませんけど。「頭のいいひと・・・」シリーズは他にも見たような気がしますが、思考経路や行動パターンは真似ることが出来るので事が面倒になりますが、これも本質的には真似ても何も解決しないのであって、思考や行動にはその末端(行為)のもっとずっと手前、結果からは似ても似つかない別の事象、根源的な知的リソースや積み上げられた様々な記憶と印象が複合的に作用した結果として表象しています。それを結果だけ真似ても、その「頭のいいひと」がその本に書いてある事象の次にとる新たな行動を真似ることは出来ません。真似はどこまでいっても真似。つまり「頭のいいひと」の様に振る舞うことは絶対に出来ないということです。ではどうすればよいのか。そう聞き返す時点ですでにだめなのですが、あえて言わせていただければ、そのあなたのままでいる以外に手はありません。それが最上の対策です。きょろきょろしてばかりいるから、あたな自身がだめになるのではないでしょうか。そういえば「きょろきょろ」とは古代期以降の日本、とりわけ近代化の過程の極めて明確に浮き彫りになった日本人性を象徴する行動パターンを表す言葉ですが、そこにターゲットを絞り込み、本を売り込む姿勢そのものに本の意味を理解するくらいでちょうど良いのではと思います。本の内容、ではなく何故この本を売ろうとしているのか、とういメタな思考で生活するといろんな面白いことが分かってくるような気がします。