Column

05/12/17

アトリエから我が家まで歩いて通る近道には、ここ1年以内に竣工したばかりの住宅がたくさんある。この季節、夜な夜な帰宅途中にそこらを通りかかると、凄まじい光量と激しい波動を伴ったイルミネーションに出会う事になってしまう。その激しさたるや、言葉ではなかなかうまく表現出来ませんね。たぶん道を挟んで向こう三軒までの防犯を約束出来るでしょう。と言うか、あれでは子供が風邪なんかひいて寝てる家など、甚だ迷惑きわまりない、安眠妨害になるんじゃない?光の公害だな。そういえば茅ヶ崎にも1年程前だったか、134(海岸通り)の脇にあるラブホテルが漆黒の空に向けてサーチライトなんか付けたものだから、それは大変。もともとあまり高い建物がない地域だったからずいぶん遠くからでも見えてしまうし、ちょうど我が家の裏辺りからその光が、まるで宇宙人でも呼び寄せる近未来映画の一コマの様に立ち上っている訳で、景観に関する無知、無頓着、経済優先主義、結局のところ美とかどうでもよく、全く興味のないといった、今の日本を代表する文化破壊型経済主義人間の代表の様相を呈している。まぁ、それすら野放し状態でやりたい放題にしている行政にはもっと問題がありそうだけど。話をもとに戻しましょう。家をがむしゃらに光りの嵐で包み込むこの季節、そんな家は最近建った住宅に多く見られる傾向な訳で、結局それって、ある種の家に対する夢だったりするんだろうな、あれがやりたくて家を建てたんだろうな、建て売り住宅など、プランはあまり自由にならなかったけど、クリスマスくらいは、その憧れを叶えたい、っていう感覚が爆発した結果という事になるのかしら。まぁ、それはそれでいいけど、ギンギンぎらぎらで他人に迷惑をかけるのはやめた方がいいし、ましてや、そうしておきながら自身の家の窓という窓、全てシャッター雨戸を降ろして閉鎖して寝るのは一体とういう事なの??結局、彼らも景観など興味は無く、単純なるイメージへの憧れと実現への執念、それと、見栄なのかなぁ。だって自分の家からは見えないんだから。雨戸を閉じちゃえば。

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