Column

カテゴリー : 2008年コラム

2008.12.02

へんてこな日本語が氾濫するこのご時世、電車や車に乗っていて相も変わらずいやになります。こりもせず、またまたやります。第三弾。 其の一、「知らない街に泊まるのは、おじさんだって不安になる」、どうでしょうか。まさにタイムリーな吊り広告だから、見覚えのある方も大勢いらっしゃるのでは?不審に思わなかったら、やばいですよ。其の二、「新しいシーフードの新提案」、読んだ瞬間に何だこりゃ、ってスタッフと一緒に笑...

続きを読む »

2008.08.12

 7月の終わりの頃、東京デザイナー学院の学生を私の事務所に呼んで課題のプレゼンテーションを行った。はっきり言ってしまえば、課題が授業内では完成しなかったために、採点を1週先延ばしにしてあげただけのことだが。狭い事務所に大きな模型が複数並んだ風景を見ていてあらためて思った。やっぱり建築には地形が必要だな、と。 その課題は緩やかな傾斜のある別荘地が立地となっているから、学生は建築本体も勿論だ...

続きを読む »

2008.06.10

 神奈川県立近代美術館での絵画展は葉山館と鎌倉館の両方で行われていて、前回の葉山館に続いて鎌倉館にも行ってきました。久しぶりの鎌倉館だったので、蓮池に面したピロティ空間に列柱の影と蓮池の光が反射するのを見たかったのですが、生憎の小雨模様。しとしと雨の降る蓮池ははじめてでしたので、それはそれでいいものです。ところで、前回は古賀春江氏の絵が見たくて行ったのに対して、今回は特別に目的とした作家がいたわけ...

続きを読む »

2008.05.02

久しぶりに美術館に行ってきた。神奈川県立近代美術館のウェブにふらっと立ち寄ったら、とても懐かしい絵画が表示されていて、あっと思った。これは絶対に行かなければ。その絵は古賀春江さんが1930年に描いたもので「窓外の化粧」という。現実的に「在りそう」な風景を積み重ねていって、でも実はどう解釈しても不思議で絶対にありえない風景となっている。この絵に私がはじめて出会ったのは、たぶん小学生高学年か中学生のは...

続きを読む »

2008.03.14

 心象風景って言葉はよく聞くが、具体的にはどんなだろうか。建築をデザインするという職業に携わって以来、なんとなく、幼い頃にみた夢や風景を思い出すことがある。「行く川の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず」方丈記の冒頭に出てくるこの文章はあまりにも有名だが、私は川を見て育った。小学校の帰り道、よく橋の手摺りから川をのぞき込んで、そのまま流れていく川をずっとじっと眺め続けて、そのうち、川が流れている...

続きを読む »

2008.02.20

電車の吊り広告を見ていて?なことは多い。以前数回そんなことを書いた様な気がするが、でもうっかりするとそんなことすら日常の中に埋没してしまって、気が付かなくなるから怖い。広告のコピーについて、ぼーっと周囲を見渡しているだけでその側面が端的に表れていることが多いから割と見ていて飽きない。ほんの一例を挙げると、「フルハイビジョン上映がすぐに楽しめます」「安心を守るのも私たちのしごと」「新しい情報がいつも...

続きを読む »

2008.01.12

年末、信じることについて書いたので、まるで宗教じみた話になってしまいましたが、誤解を恐れずに書くとすれば我々は必ず心の中に自分の宗教をもっていると思う。宗派など無く、自分の生きる道を確かめるために、次の一歩を見極めるためにかならずそれが必要になってくる、無意識のうちに。最近ある本を読んでいてそれは「物語」なのだと分かった。神話と読んでもいい。人類史上、自然災害や疫病に苦しめられながらそれを「納得」...

続きを読む »

▲ページトップへ戻る