Column

09/08/11

ここ数年で建築をとりまくいろんなことに変化が起こった。意味のある変化とそうでもない変化とあって、我々はただそれに翻弄されている。だからこれをチャンスにして物事をきちんと考え直す必要があるのかもしれない。資格制度もいろんな変化がはじまりつつある。そもそも資格は必要なのか、といった様なへんてこな発想が生まれるほどに、僕は資格を単なる資格としか考えてこなかった。実態の伴わない単なる飾り。アトリエ事務所で働いているとよけいにそう感じていた。要は実力だ、と。形骸化してしまったその制度をきちんと意味のあるものにしていこう、という意味の資格制度改革だから、その意味ではむしろ良かったかもしれない。
 そういえば電車の吊り広告に「資格に強い学校」「資格取得のプロがいる・・」というキャッチコピーを見てぶったまげた。英会話教室か何かの宣伝だったと思うが、その場合の資格とは英検かな。英検取得のプロ?取得が目的?考えはじめたら頭がぐるぐる回りそうになって、やめた。資格を取得するのは受験者なのに、一方で取得させるプロがいるってことは、つまり誰が取得することになるのか。これはなかなか深い。取得させてもらうことを目的として学校に通った学生は、その資格でもって一体何をするのか。取得させるプロは、英会話の先生ではなくて資格を取得させる先生だから、ほんとに英語が上手なのか?という疑問も湧いてくる。ほんとに取得させる事のプロなら、その英語力をもっと別なことに役立てた方が世の中きっと幸せになるだろうに・・・。建築士の学校もきっと似た様なものかなと思うから出来れば独学でがんばってほしい。苦労してがんばったことは必ず力になるから。

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