Column

カテゴリー : 2006年レポート

「東海大イルミネーションから考えたこと」

2006.12.25

12月20日、今年最後の授業を終えたら外はもう完全に夜でした。今期最後の課題だったのですが、その模型の完成度は高く、評価する側もなんだか嬉しくなってしまい最高評価の「S」が9作品も出てしまいました。もうこれはクリスマスプレゼントですね。さて、外に出て学内のケヤキ通りを歩いていたら、向こうからバンド演奏が聞こえてきました。ふと気が付いて振り返ると、今まで自分のあるいてきた通りのケヤキが全てイルミネーションで飾られていてびっくりしました。正面の銅像の前にはでっかいクリスマスツリー。私が在学中にはこんな演出があるなんて気が付きませんでしたが・・。さて照明の演出はいいのですが、その色使いがちょっと・・・。赤青緑、これじゃまるで信号です(笑)。

続きを読む »

「中原洋氏講演会」レポート

2006.12.12

11月28日、日本建築家協会神奈川支部の主催により、「中原洋」さんの講演会が開催されました。タイトルは「平面プランと暮らし、あるいは接客の文化」。私は当初からこの講演会の企画側にまわっていましたので、簡単にレポート致します。まず中原洋さんは、建築を建築業界の外側から編集という立場を通じて関わりをお持ちです。前回の企画は建築家をよんで講演会を開いたのですが、その時の来場者の多数は学生が占めていました。ところが今回は学生が僅か2名程度。学生の憧れという視点では確かに知名度は劣るかもしれませんが、それよりも忙しい平日の夕方に実務に携わっている建築家が多数押し寄せた点が興味深い。

続きを読む »

「RSH:2撮影」レポート②

2006.11.18

季刊誌MY HOME+の取材の為、久しぶりに(またまた・・)大月の住宅におじゃましました。本誌は母体となっている出版社が建築専門誌という事もあって、写真はかなりきちんとしていて評判が良いので、今から楽しみです。さて当日は朝から抜ける様な青い空が、色がつき始めた紅葉にとても映えます。この季節は空気が乾燥している為に、晴れるととにかく空が青く、撮影日和と言えますね。残念な事にこれ以上紅葉はしないで散ってしまう事がおおいとの事でしたが・・。大月の冬はとても冷え込みますが、当日は太陽の光が燦々と降り注いで、撮影の為に窓を全面開放した状態でも、思わず昼寝したくなる程に暖かく、気持ちのよい時間を過ごさせて頂きました。さらに、今回はおまけがつきます。

続きを読む »

「海の家、解体」レポート

2006.10.18

何を今更、と言われても仕方ありません。なぜなら、海の家は9月の頭に既に解体済みなのですから。でもどうか許して下さい。仕事に振り回されてまったく更新する余裕が無かったので、気が付けばもう秋です。さて、茅ヶ崎海水浴場の海の家の解体現場に行きました。海の家は、出来上がった状態ではある種、商業建築の様相をさらに強め、まるでお祭り騒ぎで(実際、お祭り騒ぎなのだからいいのだが)、そこに海ならではの風景と言うか、空気と言うか、そんな「美しい」空間性を伴った海の家は存在しません。あぁ、嘆かわしい!儲かればそれでいいのか。いや、きっとそうなのでしょう・・・。

続きを読む »

「RSH:3撮影」レポート

2006.08.10

今春、岐阜の山県市で竣工しました別荘の竣工写真撮影を行いましたので、私も立ち会ってきました。カメラマンは上田宏さんです。もともと梅雨入り前に撮影を行いたかったのですが、今年の天候不順により延期になり、やっとの撮影です。とは言え、春に植えたばかりの植栽が多少なりとも萌えてくれる事や、川向こうの借景も梅雨明けの方が鮮やかに緑で覆ってくれるのでちょうど良かったです。午前は風もさわやかで気持ち良かったのですが、やはりそこは岐阜ですね。午後になると体にまとわりつく湿気で、エアコン無しではやっぱりきついな~、という感じ。クライアントに、休憩のお茶や菓子、スイカまでご馳走になり、さらにコース料理ならきっとすごい値段するだろうな、と思ってしまう様な豪華なお昼ご飯と晩ご飯までご馳走になり、お酒までも頂いてしまいました。

続きを読む »

「Super Jury Program Summer 06」レポート

2006.07.25

先日、東海大学の春セメスター総合講評会に行ってきました。この半年間の課題の中で、全学年、全課題の優秀作品トップ5~6作品を一堂に眺められる数少ないチャンスです。指名された学生の中には、一度提出した課題をさらにディベロップし、模型やパネルなども作り直してプレゼンテーションする人いて、なかなかの見応えです。私が担当したのは2年ですが、全体の印象として、授業中はすごく優秀な学年、とも思わなかったのですが、全体の発表を終えて3年、大学院の発表が今ひとつ学生らしい躍動感に乏しく、結果として2年生が優秀に見えてきました。

続きを読む »

「kazenoyukisaki 渡辺篤志の建物探訪撮影」レポート

2006.07.01

先月の上旬、茅ヶ崎市の鉄砲道に面した3階建ての住宅に、渡辺篤志さんが来ましたので、こりもせずにまた遊びに行きました。とは言いましても、実はその日は息子の運動会がありましたので、朝からカメラとビデオを持って出かけて、プログラムの合間を見て抜け出して遊びに行く程度、のつもりでした。ところが、「夕景の頃にダイニングでワインを飲みながら会話をしているシーン」を撮影する事になり、どうやら私も同席する事になってしまいましたので、結局、午後は夜までお邪魔する事になりました。少し前からなんとなくそんな話は聞いていましたので、別に驚いたりはしませんでしたが、驚いたのは、ADさんからの差し入れワインがとても美味しかった事!これはうまいつまみがいりますね~!とクライアントにおねだりなどしてはみましたが、結局受け入れられず(笑)、ひとまずはシンプルにまとめて頂きました。声の録音はないので、何しゃべってもいいんですが案外それが(演技するのが)シロートには大変なのです。ワイン飲んで楽しそうに会話している雰囲気、ってどんなのかな~って考えていたら、あまりにワインが美味しくてついついベラベラ。そこら辺の境目が無くなる寸前で、ワインも撮影も終わってしまいました。ああ残念!このまま飲み会突入か??って勢いでしたが(私だけ?)、家で子供が待っていたので(徒競走で一等だったし)おとなしく解散しました。もし放映されたとしても、そこのシーンは数秒あるかないか、位だと思います。チャンスがあれば是非ご覧になって下さい。ちなみに関東は日曜朝6時!!放映に変わりました。お間違えの無い様に。

続きを読む »

「RSH:2撮影」レポート

2006.05.26

5月の連休以降ずっと天候に恵まれなかったので、現場の進み具合もままならず、撮影も延期だったり、曇天の中で行ったりで何かとストレスのたまる今日この頃ですが、次号のLiVESに掲載予定の写真撮影を行ってきました。いや~気持ちの良い天気で最高です!こんな晴天はもう梅雨明けまでないか?ってくらい、本当に初夏の青空と気持ちの良い風が吹いて、思わず昼間っからワインを飲みたくなってしまいました(笑)。山梨ですしね~。

続きを読む »

「Chanomahouse 渡辺篤志の建物探訪撮影」レポート

2006.05.17

5月14日、埼玉県上尾市にありますchanomahouseに渡辺篤志さんが来ましたので立ち会ってきました。あの番組をご覧になった事のある方ならば皆思う事かもしれませんが、あまりに片づいていて生活感が無い、とか、趣味や食事の再現シーンで日常的にあんな生活なんてうそだよね~、などと愚痴をこぼしながら見るのがまた楽し、というファンもいるぐらいですから、ここは一つ私の施主については必要以上に背伸びせず、ありのままでと思っていたら、やはりそこは天然、まったく気取らない素のままでした。素のまま過ぎて少し不安もありましたけど、(一応、サッシに付属する網戸はかっこ悪いので私が外して片づけました・・ごめんなさい)渡辺さんの気さくな人柄でうまくまとまりました。何と言いましても、昼食再現シーンで何を調理して食べるのかな~と興味をもっていたら、回答は「焼きうどん」(笑)。

続きを読む »

「Chanomahouse撮影」レポート

2006.04.26

前回のRSH:4と順序が逆になってしまいましたが、4月4日に雑誌LiVESの撮影を行ってきましたので簡単に報告致します。LiVESは建築専門誌以外の雑誌の中では好きな雑誌で、理由は建築写真の扱い方が上手な事や毎月発売されていない事。毎月発売されないという事は、本屋さんに並ぶ期間も長いし、その他の雑誌と比べて多少価格が高めに設定され、背表紙もきちんと平らに製本されている辺りが本としての珍重味を増していると感じますね(笑)。ともかく、chanomahouseの茶の間から見たガレージを、という連絡を、好意にしていただいている担当者から連絡を頂き、「愛車と暮らす家」特集に向けて撮影を行いました。写真撮影は前回我が家でもお世話になった長谷部さんです。やはり建築専門カメラマンとは違います。何が違うのかうまくは説明出来ませんが、私なりの言葉で説明すれば、「動き」を表現するという事でしょうか。生活は人が居て成り立ちます。人も空気も常に動いています。ですから人が居て生活がある雰囲気をラフに捉えようとします。一方で建築専門誌の写真は、完全に時間が止まっています。時間を止めて最高の瞬間を狙います。だから何となく生活が見えません。

続きを読む »

「RSH:4 撮影」レポート

2006.04.16

4月17日、静岡県三島市で進んでいました現場が完成し撮影を行って来ました。カメラマンはRSH:2に続いて2件目の上田宏さんです。本当は一つ前の週に撮影を予定していたのですが、週間天気予報が一週間以上曇天続きだったので思い切って一週間延期しての撮影です。もともと私は自他ともに認める晴れ男ですから、大丈夫だろうと思っていましたが、当日は本当に素晴らしい晴天に恵まれました。セルフビルドでクライアントと我がスタッフが植えた40本ものホテイチクが、中庭で気持ちよさそうに青空に揺れています。撮影を前にして朝から大変だったのは、この家にはたくさんトップライトがあって、空を眺めるのがとても気持ち良いのですが、この季節、上に茂っている花の房か何か(正確にはよく分かりません)がどんどん散ってきて屋根やトップライトに落ちてきてしまいます。まぁ、それはそれで風情があって面白いとは思うのですが、ここはやっぱり撮影という事で一生懸命掃除です。掃除やら、撮影やらで数回屋根に上がって、やっぱり平屋はいいなぁ、と思わず昼寝がしたくなるほど気持ちの良い屋根でした。

続きを読む »

「長崎出張」レポート

2006.03.13

念願叶って「軍艦島」(正確には端島)に行ってきました!!残念ながら長崎は小雨。でもせっかくだから早起きをして9時30分発の観光船に乗船!数年ぶりの船に感動しました。流れる海、しびれる振動(笑)。長崎港を出発して約30分、長~い湾をどんどん進み、幾つかの観光スポットの説明をふむふむとテキトーに聞き流していよいよ大海原へ!と思ったらいきなりものすごい波!しかも時間とともに海はどんどん荒れて思わず椅子に座ったまま脚で踏ん張る私(笑)。そしていよいよ軍艦島が荒波の向こうに姿を現しました。誰よりも先に立ち位置を確保する為に飛沫の舞う甲板へ!でも誰も出てこない(笑)。冷静に写真を撮ろうとしましたが、沈没しそうな船の甲板に立って手摺りにしがみつきながら何とかパチリ。本来ならばぐるっと一周まわるところらしいのですが、風の陰になる炭坑側の「エレべーション」だけを見て引き返す事に。あぁ残念!島の風上側沿岸はとんでもなく荒波で、我が船は間違いなく沈没したでしょう。まぁ冗談ですが、本当は反対側の危険な方が住居区域でして、鉄筋コンクリート造のアパートが建ち並んでいるはずなのです。

続きを読む »

「初詣」レポート

2006.01.10

1月9日にやっと初詣に行く事が出来ました。例年ならば3日か4日の妻の仕事が休みの日に行くと決まっているのですが、今年は新年早々に私が体調を崩してしまったため、なかなか行けませんでした。少し時期が遅れた事もあってか、今年の江ノ島(神奈川県藤沢市)はいつもに比べれば人も少なく、何と言っても車がすんなり橋を渡れて、そしてすんなりと駐車場に入る事が出来たのは感動ものだったなぁ。毎年決まって江ノ島に初詣に行くのには理由があって、それは境内に向かう時の気持ちの整理がつきやすいから、というと少し難しく聞こえるのですが、つまり海を渡って「向こう側」へ行くという行為が、非常に日本の寺社仏閣につきものの「結界」を意識させてくれる訳でして、通常の場合はそれを鳥居が果たしてくれる。しかし江ノ島の場合、鳥居はもちろんあるのですが、その前にはより明快な「内宮」と「下宮」を分け隔てる水(この場合は海ですが)が歴然と存在していて、我々庶民をそう易々とは近づけ得ない構造になっている。と同時に、周囲をぐるっと海に囲まれる事で、より崇高な存在へと島全体を昇華している事は言うまでもないのではないか。どこのお寺にいっても、その一角だけうっそうと茂った杉林はつきものでしょうが、それもその境内を、他の場所とは違うもの、空間を異質なものとしてより明快に差別化を計るための手段であり、格式の高い場所と、そうでない場所、日常と非日常を視覚的にも指し示す為の仕掛けなのだ。外部空間を仕切るための仕掛けは、何も門扉や塀だけではない事はこれでよく分かってもらえるでしょう。江ノ島の場合、島全体がいわゆる内宮の様なものだから、面白い。つまり鳥居は海に向かって開いているのです。その前には(本来)参道は無く、ただ海が広がっているだけ。現在の江ノ島では車の通れる橋が付いてしまっているので、そこら辺の構造の面白さは分かりにくいのですが、日本三大弁財天(もちろん江ノ島はその中の一つですね)で有名な竹生島(chikubujima)に船に乗ってアプローチすると一目瞭然です。島の入り江にある鳥居に向かって船が進み、そのアプローチする過程にこそ、日常から脱却して行く緊張感と気持ちの高揚感を味わえる楽しみがあります。

続きを読む »

▲ページトップへ戻る